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香川県立東山魁夷せとうち美術館とは
戦後を代表する日本画家・東山魁夷の作品を収蔵している美術館
香川県立東山魁夷せとうち美術館は、香川県にある美術館で、戦後を代表する日本画家・東山魁夷(ひがしやまかいい)の作品を収蔵・展示しています。
東山魁夷は青や緑を中心とした色彩表現が特徴的な風景画家で、その作品は日本国内外で高く評価されています。
美術館がある香川県坂出市は東山の祖父の出身地。1988年に開通した瀬戸大橋の建設にも関わったことからこの地にゆかりがあり、版画を中心とした作品が寄贈され、美術館が整備されました。
東山魁夷については詳しく知りたい方はこちら
祖父の出身地・香川県坂出市
香川県立東山魁夷せとうち美術館のある香川県坂出市は、東山の祖父の出身地。東山の祖父は坂出市のなかでも最北端にある櫃石島の出身でした。
また、瀬戸大橋(1988年開通)の色を決める際に意見を求められ、ライトグレー色と提案したこともあるなど東山にとって坂出市はゆかりのある地でした。
東山の遺族から、版画作品を中心に約270点ほど寄贈されたことにより、2005年に美術館が整備されました。
瀬戸大橋は、利便性だけでなく地域住民・自然への配慮を考慮に入れる”環境アセスメント”を日本で初めて取り入れ建設された橋でもあり、東山は「瀬戸内海の自然環境に溶け込むような橋の色」に関して意見を求められ、提案しました。
【外部リンク】朝の内海 1959年頃 この作品を描いたころには、瀬戸大橋はありませんでした。
東山魁夷の美術館は他にも3館ある
東山魁夷の作品の多くは、生前にゆかりの地へと寄贈されたため、全国複数の場所で彼の作品を鑑賞することができます。
東山魁夷作品をじっくり鑑賞できる美術館は全国に4館ほどあり、香川県立東山魁夷せとうち美術館もその中の一つです。
長野県立美術館内「東山魁夷館」(長野県)
東山魁夷が生前に寄贈した作品の多くは東京国立近代美術館と長野県に寄贈されました。
長野県は東山にとって「作品の故郷」。学生の頃に取材で訪れて以降、長野の豊かな自然は東山を魅了してきました。
東山魁夷 心の旅路館(岐阜県)
岐阜県中津川市にある美術館。
現在は岐阜県ですが、古くは長野県木曽郡にあたり、東山は美術学校在学中にキャンプ旅行で訪れました。
この美術館には約500点の版画作品が収蔵されています。
市川市東山魁夷記念館(千葉県)
千葉県市川市は、東山が戦後から死去するまで暮らしていたゆかりの地。
自宅に隣接して「市川市東山魁夷記念館」が開館されました。
東京国立近代美術館にも多く収蔵
東山作品だけを扱う展示室はありませんが、生前寄贈により東京国立近代美術館にも作品が多く収蔵されています。
常設で展示されてはいませんが、タイミングが良ければ企画展などで多くの東山作品を見ることができるでしょう。
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みどころ
近代的で美しい建物
香川県立東山魁夷せとうち美術館の魅力は、まずその近代的で美しい建築にあります。
設計は香川県にゆかりがあり、世界的にも有名な建築家・谷口吉生。
入り口は東山魁夷の代表作でもある「道」を連想させる、長くてまっすぐな道が。入館する前から東山魁夷の世界観へ没入することができます。
https://www.higashiyama-kaii.or.jp/道/
美しい瀬戸内海の景色
美術館の裏側には東山魁夷の関わった瀬戸大橋を含む瀬戸内海の景色が広がっています。併設のカフェテリアやテラスから、その景色を一望できるので必見です。
瀬戸大橋記念公園と併設
香川県立東山魁夷せとうち美術館は瀬戸大橋記念公園内にあり、付近には瀬戸大橋記念館や公園が併設されています。
瀬戸大橋と関連付けた遊具のある「こども広場」や瀬戸大橋を見立てた噴水のある「水の回廊」、また展望台からは夜景を楽しむことができるため、ぜひ合わせて訪れてほしいところです。
美術館概要
香川県立東山魁夷せとうち美術館 開館時間 9:00~17:00(最終入館16:30) 所要時間 1時間程度 休 館 日 月曜日(祝日の場合は翌火曜日)・年末年始・展覧会準備期間 ※不定期にある展覧会準備期間に注意。公式HPの開館カレンダーで確認を 入 館 料 テーマ作品展 310円 特別展 620円 住 所 〒762-0066 香川県坂出市沙弥島字南通224-13 TEL:(0877)44-1333 FAX:(0877)44-0220 アクセス 車かタクシーがおすすめ(バスは本数が少ない)
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